Digital Storage Oscilloscope nano

 超小型デジタルストレージオシロスコープである。オーディオジャンク品を弄りまわしている時に、どうしても信号波形を見たい時があった。中古測定器のオシロスコープ等の導入も考えたが、自宅での作業故通常品では大きすぎ、軽薄短小なものが無いかと探したところ昨今はなかなか面白い物が出回っていると知るに至った。キットである。10cm角位の基板むき出しのA/Dと汎用MPUチップ、そしてグラフィックLCDを組み合わせたサンプリングスピードが100KHz程度の物に興味をそそられたが、無骨故今ひとつ。

 他にはないかと探すと、1チャンネルながらサンプリング1MHz程度(実用200KHz程度)で、デザインがまるでi-Podかi-Phoneかとでも言いたくなる様な佇まいのものが有るではないですか。各社同一設計と思われる DSO nano (初期版)、DSO-201(DSO:Digital Storage Oscilloscope)である。なによりすばらしいのは、DOS-Vパソコンを彷彿とさせるオープンフレームな考え方で、回路図から何から情報が出回っており、ファームウェアはオープンソース的に勝手にどうぞである。一応製造会社のファームは入っているものの、多くの先達の皆さんはサードパーティ製ファームウェアの方が使い勝手が良いと入れ換えて使用している模様。ジャンクオーディオ機器弄りまわし用なのでサンプリング200KHz程度で良しとして、並行輸入の初期版が1台見つかり早速ゲット。先達の皆さんの例に倣い使用する前からBenFなるファームウェアを入れ、動作確認後にジャンク品修理に使い始めた次第。

 いやはやである。別掲でも触れているが、20代前半、オーディオ機器をいじり始めた頃に400Vだかの電撃に見舞われたりもしながら、アンプ類とデザインを統一したケースに入れた小型ブラウン管型のオシロスコープもどきを造り、オーディオ信号の左右信号リサージュ波形を表示したりしていた。その頃も部品は当然通販で手に入れていたものである。ブラウン管上でグリーンに輝くリサージュ波形は見ていても楽しいものだった。40年近く経ってからこんなに小型でスマート、かつカラー表示のオシロスコープを使えるとは夢見心地である。


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