テンコ
天鼓

 天から鼓が降って胎内に宿る夢を見て授かった子「天鼓」のもとに本物の鼓が降り下り、天鼓がその鼓を打つと妙なる調べが響く。噂を聞いた皇帝が所望するが、天鼓は惜しんで山中に隠れ終に探し出されて大河呂水に沈められる。召し上げられた鼓は以来誰が打っても鳴らず、やむなく皇帝は勅使を遣わせ父王伯に鼓を打てと命じる。老父は、恐れおののきながらも、子を奪った帝と会うことを決意し宮殿へ赴き、壮麗と威容に圧倒されながらも万感の思いで我が子を思慕しながら鼓を打つと、妙音が宮殿一杯に響き渡る。帝も哀れに思い王伯に数多くの宝を与えて帰らせ、管弦講を行い天鼓の霊を弔う約束をする。
 やがて帝が呂水の堤に行幸し天鼓の為に追善の管弦講を催すと、天鼓の亡霊が現れ喜び、鼓を打って報謝の舞楽を奏でて消え失せる。

曲柄:四番目
季節:七月
等級:三級




 
 

 
   
   
使

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