シチキオチ
七騎落

 石橋山の合戦に敗れた源頼朝が、船で房總の方に落ち延びようとする。同勢八騎である。頼朝は、源家に於いては祖父爲義や父義朝の敗走の時がいずれも八騎で八という數は不吉であるから一人だけ下船させよと土肥實平に命ずる。船中で最年長であり艫板にも近い岡崎義実を下ろそうとするが、岡崎は昨日自分は一子を失って命は今は一つ、實平は子息の遠平と命を二つ持っているから親子いずれかが下りよと承知しない。あまりの道理に實平は、なかなか承服しない遠平を泣く泣く下船させる。
 かくして一同は親子の別れに同情しつつも船を沖に進めるが、多勢の敵が汀の方に寄せてくるのが見えたので、實平は汀に残した遠平は討死するに違いないと心ひそかに悲しむ。
 翌日、沖合で和田義盛が頼朝の船を捜し出し声をかけてくるが、實平は義盛の心を試すため主君はいないと偽る。すると義盛はそれでは生きているかいがないと腹を切ろうとするので、これを止め近くの浜辺に船を寄せて頼朝に対面させると、義盛は船底から遠平を出し、危なかった遠平を助けた次第を語る。一同は喜びの酒宴を開き、實平は勸められて舞を舞う。

曲柄:四番目、五番目(略二番目)
季節:八月
等級:準高等



 
   
   
   
   
 

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田土新
代屋開 
信三次
 綱郎郎

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