モミヂガリ
紅葉狩

 ある深山で時雨と先を争うかの様に色を深める紅葉を尋ね美女が侍女達と共にやって来て、見事な紅葉の下で幕を張り酒宴を始めていると、従者を連れて鹿狩りに来た平維茂が通りかかる。
 山中での紅葉狩を不審に思いながらも、宴を妨げない様に馬を下りて道を変え通り過ぎようとすると、気づいた美女が維茂を引き留めて幕の内へ引き入れ酒宴へ誘う。
 美人の酌に時が過ぎ嵐が近づく気配にも気づかず、夜になっても盃を重ねついには維茂が酔い臥してしまうと、急に女達は、目を覚ますなよと言いながら紅葉の木の辺りへ姿を消す。
 維茂の夢に神の告知があり、驚いて目を覚ますと雷火乱れ天地は鳴動し、吹き荒れる風に方角も分からない山中で、今までの女達は恐ろしい鬼の本性を現し、身の丈一丈(約3.3m)を超える恐ろしさで火炎を吹きかけ襲いかかる。
 維茂は太刀を抜き八幡大菩薩を念じながら勇敢に戦い、岩をよじ登り逃げる鬼神を刺し通し打ち平らげる。

曲柄:五番目
季節:九月
等級:五級



 
  
  
 

 
   
    
    
      
     
 
    
    
    
     
     

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