コソデソガ
小袖曽我

 曽我十郎祐成と五郎時致兄弟は、源頼朝が富士の裾野で御狩を行い東八箇国の兵が参集するので、この機会に勘当されている弟・五郎の許しを乞い、狩り人に紛れて親の敵の工藤祐経を討とうと決め、母を訪ねる。
 母は兄・十郎には会うが、母に従わず勝手に箱根の寺を出た五郎には会おうとしない。十郎は、私の力になる為に揃って御狩に出ようというのに五郎を許してもらえないのは、私の身をも思って下さらないからであろうと怨み、また五郎が箱根にいた間母のことを思い、亡き父の回向に心を尽くしていた様子を述べ、五郎のために取りなす。
 やがて兄弟は母に怨みを述べ共に涙ながらに立ち去ろうとするが、母もようやく五郎の勘当を許し、久しく会わなかった間の様子を話させる。兄弟は喜びの酒を酌み交わし、共に舞い、それとなく母に別れを告げ勇んで狩り場へ向かう。

曲柄:四番目
季節:五月
等級:五級



 
 
 
  
 

   
   
 
   
   
   
   

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