アシカリ
蘆刈

 攝州日下の日下左衞門は貧苦のあまりに妻と別れたが、その妻は都のある大きな屋敷の乳母となり、相當な生活が出来る様になる。
 三年の月日が経ち、妻は夫に逢おうと思い同じ家に仕えている男を伴って日下の里へ下ったが、夫は零落して行方知れずになっていて儘ならぬ身の上を歎き悲しむ。
 伴の男が慰めている處へ蘆売りの男が来て蘆を薦め、難波の浦の謂れを語り、笠盡しの歌を謡って舞うと蘆を一本所望される。求められた蘆を奥の側へ持って行くと、その中に別れた妻がいる。今の姿に恥じて身を隠す夫に妻はその側に行き、和歌を詠んで三年の月日も變らぬ気持ちを示す。夫は喜んでこれも和歌の徳であると称え、祝言の舞を舞い、夫婦ともに連れ立って都へ帰る。

曲柄:四番目
季節:三月
等級:三級



 
   
 

   
   
    
 
   
   

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