SONY DSC-T9

SONY DSC-T9
SONY DSC-T9(ジャンク品入手)

 4台約5コインでOLYMPUS μ710、SONY T1及びT11と一緒にやって来た。T1及びT11は、この頃のSONY社ディジカメの弱点らしいCCD不良と思われる撮影時ブラックアウト症状のため、まったく撮影できない状態だった。CCDのリコール無償修理期間も既に終了しており、お蔵入りの運命。T9はと云えば、落下によると思われる衝撃痕が付いており、筐体が歪んで継ぎ目に隙間が出来ているものの、撮影や再生には問題点が見あたらない。ただし、メモリースティック装着時の固定が甘く、蓋との間に紙片を挟んで飛び出さない様にしてみたが、結局銀塩カメラの裏蓋用モルトを蓋の裏に切り貼りする事に。筐体角などの各所塗装剥げは格安タッチアップペイントを入手して補修。


筐体歪み修整中
筐体歪み修整中

 T1、T9、T11と同時代のSONY製薄型カードタイプのディジカメを交互に手にしてみて、これらSONY製品は全く他社と異なる考え方の下で設計製作されたと感じた次第。日食騒ぎの年辺りから各社レンズ交換式コンパクトディジタルカメラのジャンルを創設、銀塩フィルムに迫るCCDサイズを投入した本格指向の製品が出回り始めている。これらレンズ交換式コンパクトディジタルカメラを手にすると金属質のズシリとした手応えを感じるが、T1、T9、T11を手にした時にも全く同様な感触を覚えた次第。「なんだこれは」と思わす唸ってしまった。T9の筐体の歪みを修整すべく外装を分解してみても、他社、例えば同じコンセプトと思われるCASIOのカード型S600同様、極薄プレス成形で外装自体には重量感はさほど無い。T9他はどうやら中身が重い。骨格をしっかり造り込んでいるのかも知れない。液晶のしつらえも他社製品群となにやら様子が異なる。またT9他は、USB接栓や充電端子が一般的な汎用型ではなく、専用コネクタ一つにTV信号やUSB信号、充電端子等が混在しており、更に、オプションとしてTVとの融和を図ったと思われるリモコン付きクレドール迄準備していた模様。何一つ汎用性がない、SONYづくしの独自路線ディジタルカメラと理解。そしてレンズはPanasonicのLEICA VARIO-ELMARTと対極を成すCarl Zeiss。αシリーズが何故SONYだったか、また、昨今のレンズ交換式コンパクトディジタルカメラの一角を凌駕するに至っている所以の一端を垣間見た気がしている。

 最近のSONY社コンパクトディジカメラインナップを見ると、主力はカード型からレンズ繰り出し式(沈胴式)の一般的構成のものへ移行したきらいがある。CASIOのカード型と競っていたと思われる時代のCarl Zeissを冠するレンズはどの様な描写をもたらすか。興味津々で梅雨入り前の晴れ間に、庭先花咲き乱れる草地で戯れてみた。こってりとした色乗りながらくっきりとした描写で、画像処理エンジンによるとは思われる、なにやら銀塩クラシカルレンズを彷彿とさせる陰影が感じらる。

 その後一年、この重量感と平べったい小さなサイズの取り回しの良さから、移動のお供となっている。あまりの出番の多さに専用充電器を用意すべく2コインでゲットしたら電池が2個も付いてきて、これまでのものと合わせて5個の電池持ちとなってしまった次第。


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