OLYMPUS OM-2N

OLYMPUS OM-2N
OM-2N(発売当時購入)

 PEN-FTの後継として入手。発売当時のTTLダイレクト測光の響きと、フォーカルプレーンシャッター幕に印刷された反射測光用ランダムパターンの広告に惹かれての選択であった。[1][3]

 CANON、NIKONのプロ仕様機も使っていた環境下で、軽薄短小を目指したOM-2Nは頼りなげではあったが、ケース無しでスキー場、灼熱の外国、海、落下アクシデントにもびくともせずに、黒塗装から地金色が見えるまで撮りまくった。フォーカシングスクリーン等小物交換も楽しんだカメラである。10年程前オーバーホールで、凹んだペンタプリズム周りも綺麗なパーツと交換され、OLYMPUSの白文字も見事になって帰って来て感激ひとしお。

 資料[1]によると、OMシリーズのボディはライカとサイズが非常に酷似し、ボディケースはバルナック型ライカと同等、容量はM型ライカに近いと言われる。設計者米谷氏は、幼少の頃からのライカ使い(Vf)との事で、体にライカの神髄が染み込んでおられるに違いない。

 OMシリーズは、シャッタースピードダイアルがマウント部周辺のリング状となっており、レンズの絞りリングと同軸上の位置関係となっている。写真の要素たる絞りとシャッタースピード設定を同じ動線上とする設計からは、機械そのものよりも絵心に重きを置く配慮がうかがわれる。


[1]往年のオリンパスカメラ図鑑、マニュアルカメラ編集部編、株式会社竢o版社、笊カ庫
[2]カメラと戦争(光学技術者達の挑戦)、小倉磐夫著、朝日新聞社、朝日文庫
[3]使うオリンパスOM、赤城耕一著、株式会社双葉社、クラシックカメラ Mini Book 11
[4]アサヒカメラ「ニューフェース診断室」オリンパスの軌跡、朝日新聞社
[5]使うハーフサイズカメラ、飯田鉄著、株式会社双葉社、クラシックカメラ Mini Book 4
[6]時を超えるカメラ、松本賢、株式会社竢o版社、笊カ庫
私と同年代の筆者は、中学時代の恋人「PEN-F」と30年ぶりの再会を果たし、自身によるレストア後日々デートを重ねておられる。PEN-FTへの想いを募らせる人が他にも居る、と書店で見かけた時には感激してしまった。レストアを始めつきあい方やPEN-Fによる写真満載のまさにPEN-F指南書。

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