NIKON COOLPIX S600

NIKON S600
NIKON S600(ジャンク品入手)

 ディジタルカメラも各社それぞれのコンセプトで造り込んでいると感じ始め、銀塩老舗NIKON製を試す事となった。起動するとレンズエラーになるという COOLPIX S-600 が4コインでやって来た。

 NIKONのコンパクトディジカメ「COOLPIX」は、機能性を重視した「Pシリーズ」、初心者向けの「Lシリーズ」、そして機能性とデザイン性を両立した「Sシリーズ」という3シリーズをラインナップしているとの事であり、やって来た S-600 は機能性とデザイン性を両立したモデルに該当する。

 分解してレンズユニットを調べると、レンズユニット内部に入り込んでいるフレキシケーブルをご丁寧にも黒色艶消し塗装してあり、さすがに銀塩老舗と感じ入った次第。肝心のレンズユニット自体の動作であるが、ズーム駆動ギアを外しフリーにして手動で伸び縮みさせてみると、どこか噛んでいるらしくほとんど動かない始末。先達の人達のネット情報では、この状態でスムースに動く様になれば殆どレンズエラーは復旧するとの事であるが、残念ながらこの個体は落下衝撃か何かでしっかりとズーム筐体の動作部分が固着してしまった模様。レンズユニット以外は動作している模様なので、部品交換すべく急遽部品取り用に液晶割れ品を4コインでもう1台入手。こちらの方は、分解してみると内部に水が滲入した形跡が。白い粉を吹いている所から判断するに、海水に電池室側が浸かってしまった物らしい。レンズユニットも裏面のCCDセンサー周辺に浸み込み跡があり怪しい状況。このレンズユニットを更に分解すると、CCD周辺やズーム駆動モータ周辺が白い粉を吹いているものの、ズーム筐体部そのものは無傷でスムースに動かせる事が判明。部品取りS-600のレンズユニットに縦横に張り付いているフレキシケーブルを用心深く剥がしながら、裏面CCD受光部とズーム機構部とに二分割、動作するズーム機構部を移植する事に。

ズーム筐体部移植中
レンズユニットのズーム機構部移植中

 レンズユニットを分解して判った事だが、NIKONは3段分割ズーム繰り出し構造の最上段、突き出しレンズ側の小さなスペースに極小モーターによる合焦点レンズ動作機構を組み込んである。この機構は手ぶれ軽減機能も一緒に担っているかも知れない。これまでの他社製品では、受光CCD側直近にこうした機構が組み込まれている。光学系設計の観点から考えると、前玉付近で焦点を弄った方が良いのかも知れないと感じた次第。

 レンズユニットのズーム機構部を交換後、なんとか全ての部品を組み付け動作試験すると違和感なく作動する状態となった。しかしながらホッとするのもつかの間、どうやら短焦点側のピントが合わない。シャッターが切れる前までは合焦点なのだが、シャッター作動直前に長焦点側へずれてしまう。マクロのチューリップモードにすると丁度良い具合。レンズユニット組み付けに失敗したかも知れないと思いつつ、ピント合わせ動作を延々と繰り返したり調整を試みたが変わらずじまい。その後手に入れた別掲S520も同様傾向と気づき、この頃の同社S系は短焦点側がピントが合いづらいのではないかと感じている。調子悪い時はチューリップマークで使う事とした次第。

 この機種はLCD表示がくっきり綺麗と感じる。CASIO使いとしては、あらかじめ用意されている撮影シーンの数に物足りなさを感じるが、レンズユニットの作り込みに写り映えが期待される。試写結果は後日掲載。


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