NIKON COOLPIX S520

NIKON S520
NIKON S520(ジャンク品入手)

 「料理モードを使ってスイーツを撮る」との記述に反応してしまい調べてみると、NIKKORレンズ(NIKONディジカメなので当然か)という響きもあり、「レンズエラーが表示される」と云う3コインの代物がやって来た。

 確かにレンズエラーである。先達の人達のネット情報では、この状態でスムースに動く様になれば殆どレンズエラーは復旧するとの事で早速レンズユニットを取り出す事に。CCD受光素子用フレキシケーブルをコネクタから外してレンズユニット引き出そうと引っ張った所、「ベキッ」といやな音が。慎重に音の周辺を眺めると部品の陰に更にもう1本のフレキシケーブルが。無惨にもセロテープを千切ったが如く裂けているではないですか。しばし呆然。

 気を取り直した数週間後、部品取り用「レンズエラーがあり、作動しません」という3コイン強の代物がやって来た。早速確認するとスイッチをいれてもピクリともしない。入念に本体の様子を眺めると、レンズユニット表面に凹み痕があり、どうやらレンズが伸びた状態で落下、もろにレンズ繰り出し機構を痛めつけた模様。前述分解時の二の舞とならない様フレキシケーブル全てを外し、まずはレンズユニットを調査。レンズユニットに縦横に張り付いているフレキシケーブルを用心深く剥がしながら、裏面CCD受光部とズーム機構部とに二分割すると、確かにズーム機構内のカムの役割を担っていると思われる部品が折れ曲がっている。分解失敗機のレンズユニットの中から同じ部品を取り外して再利用すれば良いと考え、三段構造のズーム機構を分解してカム部品を入れ換えてみた。

ズーム機構分解中
三段構造ズーム機構を分解中

 このモデルでは裏面CCD受光部とズーム機構部間のフレキシケーブル接続がコネクタではなく、もろに両方のフレキシケーブルをハンダ付けして接続する作りになっている。全く分解再生を想定していない設計と見た。そこを無理矢理再生せざるを得なく、一人作業故ハンダ付けの際の部品固定も大変。

フレキシケーブル接続部品固定
フレキシケーブル接続部品固定

 ハンダが若干はみ出し気味になりながらも何とか接合し、フラッシュ用大容量コンデンサの電撃に不意に2度程見舞われながらネジも余らず無事組終えた。いよいよ「料理モードを使ってスイーツを撮る」というテーマの実践。このモード設定をすると、マクロ撮影とカラーバランスを手動で弄れる様な表示がモニター画面に現れる。対象料理を近距離で美味しそうに見えるカラーバランスに手動調整しなが撮るのがこのモードの売りらしい。早速被写体を探し回った所、カミさんが丁度ケーキを作り終えていた所だったのでまずはオートでそのまま1枚。フラッシュを焚いても白く飛んでしまわず流石の写り。ただ、被写体と撮影時の周囲状態によるとは思われるが、料理モードではオートのままフラッシュ無しでは色バランスが青寄りで手動調整が必要なときもある様である。屋外ではどうであろうか、花咲き乱れる草地で戯れてみた。日差しのある時間帯、オートにもかわらず絶妙なぼけ具合に感心。

 造りがよいと感じていたS520であったが、元箱や付属品一式が揃っていたので引き受け手が見つかり、またまた電撃に見舞われながらの筐体色変更を施して専用ケースとお揃いで第二の活躍の場を得ている。末永く故障無しで綺麗な写真を撮り続けてほしいと願っている。

筐体色変更着せ替え中
筐体色変更着せ替え中


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