R-SG7


R-SG7
KENWOOD R-SG7

 前掲コンパクトサイズA級アンプ SU-A70 を見かけた頃、スイッチで「純A級動作モード」に切り替える事が出来るKENWOODのSG7シリーズチューナーアンプ R-SG7 の存在を知った。1970年代後半の各社「擬似A級」とは異なり、コンパクトなミニコンポアンプで「純A級動作モード」である。キャッチコピーでは、「セットのそばで聴く時や、夜間など小音量で聴く時は、純A級動作モード(ピュアA)にすることをおすすめします。滑らかな高音質をお楽しみいただけます。大きめの音量で聴く時は、通常のモードでお楽しみ下さい。」となっている。手動スイッチ切り替えによる「純A級動作モード」ではA級増幅を通常モードの動作電圧で動作させる事になり、信号の最大振幅が大きく取れずパワーが半減する事をこのキャッチコピーではうまく表現している。

 探す事しばし、日食騒ぎの翌年早々、動作品が5コインでやって来た。サイズの割にはやけに重く3kgである。重さのほとんどが、無信号時にも出力段トランジスタに電流を流すA級増幅回路を駆動するための大型電源トランスである。さっそくゴシゴシ清掃後、このシリーズの弱点らしい出力リレーの接触改善の為に、スピーカをつなぎCDをかけて大出力で鳴らしながら「純A級動作モード」と「通常モード」のスイッチ切り替えを繰り返してリレーを何度も作動させ、やっと試聴と相成った。

 小電力とはいえ「擬似A級」ではない「純A級」である。定番の Everything Must Change のJAZZボーカルCDと常用リファレンスバイオリン曲CDであるが、「純A級動作モード」では混ざりけのない非常に清楚な音色である。高域の線が細く、全帯域にクリアだがドライブ力が弱い印象。ボーカルの高域は癖が加味されない自然な聴感である。「通常モード」はと云うと、確かに出力が倍近くなり雑味が増す印象は伴うものの全体的に生き生きとしたドライブ感が出てくる。ボーカルはハスキーな感じが加味されて心地良い。

 このチューナーアンプ R-SG7 とセットとなるCDプレーヤ前掲 DP-SG7 は、マルチビットDA変換たる 24bit Fine D.R.I.V.E. を有し、私の駄耳には心地良かった。SG7シリーズのスピーカーはと云うと LS-SG7 と称され、ネット上での評価が高い様である。この時代の KENWOOD のある種の到達点なのではないか思えてくる。

Replacement of Speaker Relay
接触不良リレー交換

 桜の花も散った後日、DP-SG7・R-SG7・LS-7PROの組み合わせで貰い手が見つかり嫁いでいったが、早々に音が小さいと思いボリュームを上げると急に大きくなったりするとの報が。このシリーズの持病リレーの接触不良と云う事で、ネット情報を元にパナソニック電工ALA2F24を通販で入手、ケースサイズは若干大きめであったがピッチは合っていたので無事交換完了。写真のスピーカー端子直近である。試しにCDを1枚試聴すると、アルバムの半分位までは音に冴えが無く全体像がぼやけていたが、その後は一曲ごとに本来の音調を取り戻し、上記試聴感となった。末永く良い音を聴かせてあげてほしいと願っている次第。


[1]新製品案内、http://www.kenwood.co.jp/newsrelease/1999/press990603_1.html
[2]KENWOOD チューナー・アンプ R-SG7 の修理、http://www.suwa-koubou.jp/repair/r_sg7/r_sg7.html
[3]KENWOOD R−7 PRO、http://m3leica.blog66.fc2.com/blog-entry-478.html
[4]R7-PRO KENWOOD、http://www8.atwiki.jp/ryofox/pages/56.html

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