サンハヤト FA-40

サンハヤト FA-40
サンハヤト FA-40

 真空管アンプで自作を再開するに当たってまずは完全自作よりはキットで製作し、将来の自作機の正否がわかる様にリファレンス機としようと物色した所、販売されているキット品はそこそこの出力が得られる物だと結構高額と判明。これでは最初からパーツ集めして完全自作かと悩んでいたが、基板関連品専業メーカーのサンハヤトが数年前に創立四十周年記念として真空管アンプを限定200台販売していた事を知った。数年前に各販社ともすでに完売。カタログを見ると、分厚い基板にこれまた分厚い金メッキ配線と謳っている。球は6L6GC、UL接続とある。記念事業としてかなり力の入った製品で、コストパフォーマンスも良さそう。だけど市場にはもう無い。そうこうしている内に2006年末、とある真空管アンプ販社のホームページ中古品売り場に未開封のFA-40の文字が。しかもキリ番100番(限定200台中)。しかし資金無し。ようやく資金の目処が立った2月、恐る恐るまだ売れてないかメール問い合わせすると売れていないとの事。

 やっと我が家にやって来たFA-40、連続して組み立てる時間がないので時間がある時に少しずつ、楽しみながら組立
 途中体調不調で休んだりしながら、四月下旬にやっと配線終了。結線も済み球各部の電圧もOKだしと、半年ぐらい前に組み上げた球CDプレーヤとミニコンポのプラスチック箱スピーカーをつないで音出しテスト。しかし右の音が出ず、しばし配線を眺めると信号線とアース側を入れ替えて配線している所があり、直すと両方のスピーカからしっかり音が出た。そのままミニコンスピーカーでJAZZ CDを取っ替え引っ替え、プラスチック箱スピーカーなのにいっぱしの音で鳴っている。時間が経つに従って球がどんどんこなれて来てそのまま聞き惚れた次第。
 その後DIG-IIにつなぎ換え一両日悦にいって聴いていたが、右側から結構な音量でハム音が。409Bが高能率故にチョットの残留ノイズにも反応してしまう。左はほとんど無音で電源は無罪として、どこからの雑音なのかとバラして眺めても心当たり無し。一晩考えヒョッとしたら初段の球自身かと思い当たり、数日後右と左の初段の球を入れ替えた所、今度は左からハム音が。新品しかもRCAのメタル管なのに。気を取り直して、ストック品から1959年製の国産マツダ銘の箱を開けると、球に空気入っていて使えない。さらに気を取り直し他のを開けると、今度は使えそうなので何とか二本用意しRCA球と差し換え、48年ものの球なので爆発しないかと恐る恐る電源投入。焦げた臭いはしないか、煙は出ないかと気をもんだ後、入力無しでボリューム最大にしても、両スピーカー共シ〜ンとして雑音無し。結構この球アンプ、優秀と納得。さっそくのCD試聴で、RCA球の時より心なしか細かな所まで再現し忠実感とソフト感が増した気がしている。ネットでは、マツダの球は音が良いとの情報もあり、またまた納得。


[1]オーディオ回路、斉藤醇爾、誠文堂新光社、無線と実験シリーズ
[2]決定版真空管アンプ設計自由自在、長真弓、誠文堂新光社
[3]真空管70年の歩み、John W. Stokes、斎藤一郎訳、誠文堂新光社
[4]情熱の真空管アンプ、木村哲、日本実業出版社
[5]真空管アンプ・スピーカー作りに挑戦、技術評論社、男の自由時間
[6]真空管ラジオ・アンプ作りに挑戦、技術評論社、男の自由時間
[7]6V6GTシングルパワーアンプ、藤本伸一、無線と実験 2006年5月号(通巻999号)pp.38-45.
[8]A TASTE OF TUBES, SONIC FRONTIERS INC.
[9]An Introduction to R, W.N. Venables, D.M. Smith and the R Development Core Team.
[10]Spice3f5マニュアル、Ayumi's Lab
[11]電脳時代の真空管アンプ設計、中林歩
[12]LTSpice/SwCAD III、LINEAR TECHNOLOGY、http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/switchercad.jsp
[13]LTspiceによるシミュレーション、中村 利男、http://ntoshio.la.coocan.jp/rakuen/spice/index.htm
[14]LTSpice/SwCADVを使う、Kimio kosaka、https://make.kosakalab.com/ltspice/

Return