ALTEC DIG-II

ALTEC DIG-II
ALTEC DIG-II

 このDIG-IIは、2007年春の祖父の三十三回忌準備大掃除中に押し入れ奥から出てきた。湿気ですっかり箱の下部がカビて変形していたが、腐ったネジをドリルで削って開けると綺麗なDIGの心臓409Bスピーカが顔を出した。

 私が初めてALTECサウンドを聴いたのは、三十数年前、お茶の水の日仏会館で開催されたオーディオイベントでだった。DIG-IIを手に入れた三十年近く前は、当時日本初のV-FET採用アンプシリーズの廉価版モデルで鳴らしていたが、DIG-IIから出てくる音は馬力無く、ペソペソした音だった。

 久し振りに日の目を見る事となってからは、上下逆様組み付けとしてバスレフポート下側位置で設置し、真空管アンプで鳴らしている。見ての通りサランネットは、当時飼っていた白いネコが爪を引っかけて遊んだ名残で毛羽立っているが、今は亡きネコ君に敬意を表してそのままとしている。

 さて、音であるが、ネット上でも盛んに評されている様に、どうしてこんなシンプルな構造からこんなクリアーかつ情感たっぷりの音色が出てくるのか不思議なくらいである。三十数年経過し、箱もスピーカーもすっかり枯れたせいか、元々こうなのか、高能率らしい反応の早い正にJAZZ向きの音色と感じている。一度試しにスピーカー台として柔な物を使ってみたが、定位や応答感がメロメロとなった。これは箱全体で鳴っていると納得し、今は支持点四ヶ所の台を使っている。ライブハウスの空気感や演奏者の息づかいまでもが伝わってくる、そんなスピーカーである。

 その後メインスピーカーを別掲LM-011へ入れ換え、また生活環境の変化でしばらく音出しが出来ないでいた中、平成始まって以来の豪雨が西日本を襲った年の7月やっとの事でシステムを組み直して、40年代の音源CDもライブ感たっぷりに聴かせるCDP-XE700と6V6GTシングルの組み合わせで鳴らしてみた。応答良い生き生きとした再生音を再確認。ALTEC信奉者は自称「アル中」なのだそうだが、当方もその仲間なのかも知れない。

 CDを1枚試聴した翌日、なんだか左側に違和感を感じて調べるとウーハーが全く鳴っていない。最初は6V6GTシングルを疑ったが、別アンプでもやはりウーハーが鳴らずにツイーターは鳴っているのでウーハーのコイルが焼けたか・・。修理情報がないものかと検索すると、「コイルの出口から左の編線までの間が一番切れるところです。一か所エナメル線の被覆を少し剥ぎ、原因箇所を突き止めます。断線箇所が分かったときは、バイパス回路を作ります」[24]との書き込みが。早速一部裏板が朽ちかけているDIG-IIを開腹して中から409Bを取り出し解体、ツイーターを外して断線箇所の特定開始。

ALTEC 409B woofer disconnection
409B ウーハー断線箇所特定

 @〜Aの間は導通あり。その先の@〜Bの導通はあるものの@〜Cでは導通なし。ネット先達情報のとおりコイルは生きていて、コーン紙貼り付け導線部分がコーン紙振動により金属疲労断線した様である。さて、B〜C間のジャンパーをどうするか・・・、エナメル線の持ち合わせがないのでACケーブルをほぐして太さが同等のものを1本確保し、BとCでハンダ付けに挑戦。前期高齢者の仲間入りした目では、こなん細い線の空中ハンダ付けはとても難しく、試行錯誤10回程度。やはり裸眼では無理と、時計修理などで使用しているヘッドマウント拡大メガネの出番。何とかジャンパー配線を終え、コーン紙との接着はゴム系接着剤がなかったのでこれまでの経路に沿って木工ポンドを上乗せ。数時間後木工ポンドの白色が透明に変化。更にリード線部分の塗装を剥がしたところは車用黒色タッチアップペイントでお化粧し、コーン紙エッジには念のためゴム部材再生シリコン系スプレーの液剤を塗布。

ALTEC 409B lead wire repair
409B コーン紙上リード線ジャンパー修理(タッチアップ前)


[1]サウンド与太噺、森本雅記(日本のミスターアルテックと呼ばれた方)、http://hwm8.gyao.ne.jp/nao-sakamoto/yota/top.html
[2]真空管アンプ・スピーカー作りに挑戦、技術評論社、男の自由時間
[3]The BigBlock part14、廃ページ
[4]Altec 409B 20cm同軸フルレンジ、http://www.ceres.dti.ne.jp/~takojin/Speakers/altec409B.htm
[5]ALTEC 409Bと409-8E、http://modernjazznavigator.a.la9.jp/audio/a5.htm
[6]DIATONE スピーカーシステムDS-B1の仕様、http://audio-heritage.jp/DIATONE/diatoneds/ds-b1.html
[7]真空管アンプと適合するスピーカー、http://www.geocities.jp/asd2251sxl2001sax2251/speakerfortubeamp.htm
[8]DIATONE DS-B1、http://www007.upp.so-net.ne.jp/module/Studio/DS-B1.htm
[9]TANNOY Mercury M2、http://tukipie.net/eng/audio/TANNOY_MercuryM2.htm
[10]Tannoy Mercury M2 loudspeakers、http://www.tnt-audio.com/casse/mercury2e.html
[11]くりぷぴょん、廃ページ
[12]Speaker workshop による音響測定、http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/Speaker/Speaker_Workshop.html
[13]スピーカーのウレタンエッジ代替え品製作 、https://masagoon.exblog.jp/20719711/
[14]スピーカー修理テクニック|スピーカー修理日記、http://ameblo.jp/sp3/theme2-10001708739.html
[15]B級リビルド ツィーター修理、http://tanoshiib.web.fc2.com/sub5.htm
[16]B級リビルド ウーハー修理、http://tanoshiib.web.fc2.com/newpage40.htm
[17]あの時代、オーディオへの憧れを今再び、憧れ探求隊編、株式会社竢o版社、笊カ庫
[18]DIATONE スピーカーシステムDS-201(DB)の仕様、http://audio-heritage.jp/DIATONE/diatoneds/ds-201.html
[19]ダイヤトーン DS-201分解 、http://yuredsure.blogspot.com/2012/12/ds-201.html
[20]ダイヤトーンのDS-201、http://variouskraft.com/AUDIO-3menteSP1-12_DIATONE_DS-201.html
[21]DIATONE DS-201の分解手順、http://pasokonosusumetokka.blog.fc2.com/blog-entry-63.html
[22]SANSUI LM011、http://audio-heritage.jp/SANSUI/speaker/lm011.html
[23]ユニーク・スピーカーシステムの開発、http://www.ishinolab.com/modules/doc_serial/audio_history_japan/serial001_008.html
[24]スピーカー修理 アルテックフルレンジ、https://ameblo.jp/yamadatenzan/entry-12185075699.html
[25]Speaker Technology、https://www.dagogo.com/speaker-technology/3/

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