CDP-710


CDP-710
SONY CDP-710

 皆既月食に天王星食が重なった年の初冬、屋根裏から探し出した45年物のカセットテープに端を発してメタルテープ用カセットデッキ T300SR と TC-300RX のオートキャリブレーション機能を弄り回したが、併せて同時代と思われる SONY TA-F500 アンプを揃えていた。この時点で、併用しようと考えているスピーカーはエッジがボロボロで鳴らせていないものの、せっかくなので同時代シリーズとしてCDプレーヤーも揃えたい心持ちとなり、1.5コイン強でやって来た。

 年代が合って値頃感優先での機種選択だが、さてDACである。事前調査段階では PCM56 である。「名チップ PCM56:バーブラウン PCM56 の音質はまろやかでしっとりとした感じ」との評もあるが、「CDP-710 PCM56P-J or TDA1541」との書き込みもあり、どちらなのか気を揉んでいた。調べた結果、 CDP-710、ヨーロッパモデルは フィリップス TDA1541A、北米や日本向けモデルはバーブラウン PCM56 を搭載していたのではないかと思い至った。両モデル、メカ構造は同じだが電子回路系基板が異なっていて、搭載DACも上記の通りだった模様。同一機種で内部基板まで造り替える意図は不明。CDP-710 がやってきてまずは基板上のDACチップを見ると、PCM56。

 CDトレー動作不良は持病らしく、CDクランパバネが強すぎるとの先達情報を基にバネを調整後スムースに動作する様になったが、トレー駆動用ベルト(かなり小径)の劣化が主な原因とも考えられ、なんとか探し出し入手交換。

 CDリピート再生でコンデンサ等回路周りを復調させ、いよいよ Everything Must Change のJAZZボーカルCDと常用リファレンスバイオリン曲CDによる試聴。先達の皆さんの評価に違わない高域の繊細な粒立ち、低域のほどよい分離、加えてスケール感も感じる。大きなホールでの大編成曲向きな印象。

 その後、CD-Rの読み込みが不安定とピックアップサーボ系を調整するも、全くCDを認識しない事態となった。ピックアップのレーザー光強度調整は基板側サーボ系周りでと思い込んでいたが、よくよく考えるとKSS-150Aピックアップ本体側にレーザー光出力調整用ボリュームが有るではないかと、微調するとCD読み込みが復活。この間代替機として CDOP-770 を入手した事もあり、音質に差違なく CDOP-770 と比して振動に弱く光出力が無い事等から予備機入りとなった。


[1]tsdoctor HOME PAGE、https://tsdoctor.web.fc2.com/dp1001.htm
[2]Philips DAC、http://www.lampizator.eu/lampizator/LINKS%20AND%20DOWNLOADS/DATAMINING/tda1547.pdf
[3]お気楽オーディオキット資料館、http://www.easyaudiokit.com/
[4]DAC63S-mini/お気楽DAC2の製作、http://yasu-audio.com/dac63s_01.html
[5]DAC(DAC63S-mini)、http://www.geocities.jp/mkttid/dac63s.html
[6]フルーエンシ情報理論、http://www.jst.go.jp/kisoken/seika/zensen/04toraichi/
[7]EMISUKEの電子工作部屋、http://www.geocities.jp/aaa84250/HAIFU_16.htm
[8]Chu Moyタイプヘッドホンアンプの製作、http://www.minor-audio.com/bibou/amp/headphone_amp2004.html
[9]Web2.0が面白いほどわかる本、小川宏・後藤康成著、中経出版、中経の文庫495
[10]Pioneer レガートリンク解説、https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/archives/products/highend/lineup/rs-a1x2/function_2.html
[11]レガートリンク付きCDプレーヤについての検討(その2)、https://blogs.yahoo.co.jp/kiyo19371122/29056796.html
[12]折り返し雑音とフィルタ、http://www.gem.hi-ho.ne.jp/katsu-san/audio/next_gen/alias/aliasing.html
[13]サンプリング周波数と音質、http://aok.la.coocan.jp/sample_hz.htm
[14]お手軽シリーズ1.5の巻き、http://www20.tok2.com/home/easyaudiokit/okiraku/okiraku15.html
[15]「在庫限り」の誘惑に負けるの巻き(FN1242A)、http://www20.tok2.com/home/easyaudiokit/FN1242A/FN1242A.html
[16]心理学的,及び生理学的実験による超音波音響信号の知覚に関する考察、杉本武士、筑波大学大学院博士課程システム情報工学研究科修士論文、2003
[17]AL24 Processing、https://www.denon.jp/jp/blog/3817/index.html
[18]ONKYO 技術情報VLSC、https://www.jp.onkyo.com/audiovisual/technology/
[19]ビクター K2 テクノロジー技術情報、https://www.jvcmusic.co.jp/k2technology/aboutk2/technology.html
[20]二次元アレイスピーカを使った音場の形成とそのシュミレーション、http://tamlab.yz.yamagata-u.ac.jp/STUDY/スピーカ/speaker.html
[21]「Supreme D.R.I.V.E.(仮称)」開発!、http://www.kenwood.co.jp/newsrelease/2000/press20000619.html
[22]「D.R.I.V.E. with 32fs & 22bit resolution」、http://d.hatena.ne.jp/tma1/20070105
[23]アナログーデジタル変換、橋本研也、http://www.te.chiba-u.jp/~ken/lecture/Trans-3.pdf
[24]高速化に適した周波数変調方式刄ーADC、前澤宏一、松原渉、酒向万里生、水谷孝、http://www3.u-toyama.ac.jp/maezawa/Research/IPArev2.pdf
[25]AD/DA変換器とディジタルフィルタ、山崎芳男、日本音響学会誌 46巻 3号:1990、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/46/3/46_KJ00001455904/_pdf/-char/ja
[26]デジタルとアナログの協調と共存、小林春夫、https://kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp/news/pdf/koba20071016-2.pdf [27]AD/DA変換器、岩田穆、集積回路基礎 第10章、http://www.dsl.hiroshima-u.ac.jp/~iwa/text/LB10.ADC.pdf
[28]SL-P70仕様、https://audio-heritage.jp/TECHNICS/player/sl-p70.html
[29]アナログ・デジタル変換の基礎、村口正弘、マイクロ波工学2009.07.10
[30]1ビットD/A変換アレイを用いたD/A変換方式、谷泰範、信学技報、CAS94-9,VLD94-9,DSP94-31、pp.63-70
[31]ONKYO Integra C-1E解説、https://audio-heritage.jp/ONKYO/player/integrac-1ever2.html
[32]Victor XL-Z900、https://audio-heritage.jp/VICTOR/player/xl-z900.html
[33]SONY DAS-R1a、http://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/etc/das-r1a.html
[34]Leica a la carte:SONY CDP-EX700、http://m3leica.blog66.fc2.com/blog-entry-556.html
[35]Sony CDP-710、https://www.hifiengine.com/manual_library/sony/cdp-710.shtml#comment-29462
[36]1ビットDACとR-2R DACの音質差 -- 名チップ PCM56、https://ameblo.jp/etsuo-okuda/entry-10479409645.html
[37]DACが16bitで何が悪い!、ステレオ時代、ネコ・パブリッシング、vol.21 pp.85-95
[38]CDの16ビットデータを20ビット化するビット拡張技術のしくみと効果[前編]、柴崎功、MJ無線と実験、誠文堂新光社、2008年8月号(第95巻 第8号 通巻1026号)、pp.84-94
[39]CDの16ビットデータを20ビット化するビット拡張技術のしくみと効果[中編]、柴崎功、MJ無線と実験、誠文堂新光社、2008年9月号(第95巻 第9号 通巻1027号)、pp.84-93
[40]CDの16ビットデータを20ビット化するビット拡張技術のしくみと効果[後編]、柴崎功、MJ無線と実験、誠文堂新光社、2008年10月号(第95巻 第10号 通巻1028号)、pp.84-92
[41]素子再生音に革命をもたらしたフルエンシーフィルター、柴崎功、MJ無線と実験、誠文堂新光社、2009年4月号(第96巻 第4号 通巻1034号)、pp.84-93
[42]ヤマハプロビット方式CDプレーヤーの詳細、柴崎功、MJ無線と実験、誠文堂新光社、1996年9月号(第83巻 第9号 通巻883号)、pp.94-101

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