AX-380


AX-380
YAMAHA AX-380

 前掲 PIONEER A-D1 に続くフルサイズアンプ試聴シリーズ3代目、2コインでおつりが来る機種の選定となった。「リニアダンピングサーキットを採用しており、スピーカーの形式や特性に依存することのない安定したドライブを可能にしています。」とのキャッチコピーに反応した次第。電源スイッチを押すと、5秒程度でリレー音がするものの、電源を始めインジケーターランプが不点灯で、どうやら電源回路が動作していない。しかしながらリレーは動作しており部分的な電源回路異常かと調べると、なんとサブ電源回路(スタンバイ電源)を有していて常時スタンバイ、電源スイッチが押された時点でスタンバイ電源がメイン電源AC ON/OFF 用リレーを作動させる仕組みとなっていた。これまで弄った他社製品では見かけない方式に、プロテクション動作時にメイン電源を切ると云う回路保護の王道かと感心した次第。この電源スイッチ連動リレーを取り外して見ると、接点が黒く汚れていた。番数の多い紙やすりをかけた後、接点クリーナー液で洗浄、再組み立てで無事復旧。

 このアンプの発売された時代には、他社では「Σドライブ」などのコピーを目にしていた。「Σドライブ」は回路内にスピーカー特性を取り込みフィードバックで補償していたものと思われたが、当時は食指が動かず、終段FET機種の選択となっていた。今回「リニアダンピングサーキット」を謳う機種があったと知った訳だが、目指す所はスピーカー挙動に影響されない回路設計と思われる。ひとまず1日通電動作後に定番CDをとっかえひっかえ試聴してみた。前掲 SONY TA-F500 のどっしりとした懐の深い芳醇な響きと同傾向の中に、各楽器の繊細な表情が聴き取れる。また際だってピアノの響きが沁みてくる。これは甲乙付けがたいと思案したあげく、まずはこの AX-380 を常用すべく結線替えとなった。


[1]AX-380カタログ、http://audiosharing.com/review/wp-content/uploads/2014/03/AX380.jpg
[2]スピーカーのf0共振と逆起電力、https://www.audio-simulation.net/entry/2019/02/24/085129
[3]ダンピングファクターを決めるものはなんでしょうか? これです。、https://audiodesign.co.jp/blog/?p=2437
[4]パワーアンプのダンピングファクターに関する解説、https://audiodesign.co.jp/blog/?p=172
[5]アンプのリモートセンシングの効果は絶大!?、https://nw-electric.way-nifty.com/blog/2022/08/post-7de2ea.html

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